精神障害としての自殺治療について

精神障害

精神障害は、日本人の自殺の原因の多くを占めています。

その自殺を防ぐために治療が必要なのですが、どのようにすればよいかまとめてみました。

治療の目的

自殺の治療は、主にうつ病等の精神障害による自傷等が原因である考えに基づいています。
その治療の目的は、自殺自体を防ぐこともありますが、最終的には様々な社会的支援を利用して、患者の社会的機能を改善することです。
なお、この記事では分かりやすいようにあえて「自殺の治療」という文言で表現をしております。正確には「自殺につながる精神障害の治療」になると思うのですが、長いので省略しました。
ご理解のほどよろしくお願いします。

投薬治療

自殺の最初の治療は、抗うつ薬の投与から始まります。
その抗うつ薬の投与ですが、最初は患者に低用量の抗うつ薬を投与して、これが有効かどうかを確認します。
この治療法には数週間かかる場合があり、改善がない場合は別の手段を考えます。
こうすることによって、個々の患者にとってより効果的な薬物を選択していきます。
しかし、強い自殺願望がある場合は、その旨を主治医またはメンタルヘルスの専門家に相談する必要があります。

行動療法・心理療法

自殺の2番目の治療は行動療法または心理療法で構成されます。
行動療法や心理療法は薬物療法よりも幅広い精神疾患の治療に支持されています。
具体的には障害のエピソードの共有、様々なストレスに対する対処スキルの習得、自分なりの気分をコントロールする手段の習得などがあります。
この治療を行うことにより、患者が自殺に至る考え方と行動を修正することが出来ます。

社会的支援の充実

自殺を防ぐには社会的支援が必要です。
社会的支援とは、金銭面・生活面・就労面などさまざまな面で人的および金銭的な支援を行うことです。
代表的なものとしては生活保護があげられます。
ただ、多くの自殺企図者はそういう支援があることを知りません。
自殺企図者たちは金銭的な面で危機にさらされていることが多く、その場合は速やかに生活保護等の支援につなげないといけません。
また、生活保護の基準まで達していなくても自立支援等のさまざまな支援制度があります。
それらの支援を適切に受けることが出来るように自治体の担当部署やNPO法人などにつなげて自殺企図者を守っていく必要があります。

身近な人は役立つのか?

一般的に家族や友人、同僚は、自殺念慮やうつ病、自殺行動を減らすのに効果的であることがわかっています。
これは恐らく自殺企図者に対する彼らの懸念が、自殺の考えや行動、自殺の試みを自殺企図者に気づかせているという事実によるものです。
しかし、逆にそのような身近な人が役に立たないという考えもあります。
その主な理由は、身近な人々が、自殺企図者が本当に自殺してしまうことを恐れ、自殺について話すことをためらうかもしれないからです。
さらに身近な人々は、自殺企図者自身の存在に対して、何か失敗してしまったかのように責任を感じることがあることも理由の一つです。
身近な人の支援は支援者の過度な負担にならないように対応することが必要だと言えます。

まとめ

自殺予防のための治療は一般的な精神障害の治療と通ずるところがありますが、それと共にさまざまな支援が必要です。
自分自身がそのような立場であったり、周囲にそのような方がいる場合はまずは自身だけで考えず、周囲に相談し、適切な治療・支援につなげる必要があると思います。

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